競争社会



 今、その原典を見つけることが出来ないのですが、

昔読んだ本の中で、

政財界等で成功した人たちの

若かりし頃、子供の頃の、

苦労話を集めた本がありました。

落第した話とか、失敗談とかを集めたものです。

 時代的には、

その本自体が昭和40年ぐらいの発行で、

執筆者の中に徳川無声さんとかがいたから、

内容的には、

大正から終戦後あたりの体験談だったと思います。



 その中に、

当時の中学生

(今の高校生ぐらい?)

の時分に、旧友二人で

汽車に無賃乗車して

旅をした話が出てきます。

終戦直後ぐらいの話しだったと思います。



 二人は、

汽車のトイレに隠れて

無賃乗車します。

その汽車には、

どうやらトイレは1つしかなかったようです。

そこへ用を足そうとした人々がやってきます。

ところが、トイレの中には

二人が隠れているから、

鍵を閉めている。

我慢が限界に達してきた人々は

何とかトイレのドアを開けようとする。

中の二人は、

無賃乗車がバレルのを

恐れて必死でドアが開かないように押さえる。

トイレの外の人々は、

「このトイレは壊れているぞぉ!」

と悲痛な叫びを上げる。



 そして二人は、無事、

トイレに隠れ通して、

無賃乗車は成功する。



 そんな話を読んだ覚えがあります。



 読んだその当時は、

愉快な冒険談だなぁ、

ぐらいにしか思わなかった。



 でも、今は、

トイレの外で、

必死にドアを開けようとしていた人々の事が

気になります。

 おそらく、

漏らしてしまった人もいたことでしょう。



 あなたはそれを笑えますか?



 今の僕は、

もうそれを笑えません。



 中に隠れて、

無心乗車した二人のうち一人は、

大きな会社の社長だか、会長だかになっている。

その人の若かりし頃の話しとして

その人が執筆した話です。



 今の僕は、

そこに、

人を押しのけて成功(?)する人の

原点を見てしまう。



 漏らしてしまう人のことを考えなかったのだろうか?



 その時は考えなくても、

後で考えなかったんだろうか?



 よくもそれを本に書けるなぁ。

 

 それが、正直な今の感想です。



 僕の視点が、

おそらく僕自身も弱者だからこそ、

弱者が良く見える所にあるからです。



 無賃乗車でこっぴどく叱られて、

高い高い運賃を請求されても、

トイレを開けてあげるのが、

「人間」でしょう。



 そんな事を書いている時点で、

僕はもう、

競争社会の負け組かもしれません。



 昨日、

トイレが空くのを

必死の形相で待っていた時に、

ふと、

昔、読んだ本を思い出したのです。



 人間、こんな感じで、

「ふと、」

気づいていくのかもしれません。





 一応、念の為、書いておきますが、

昨日、僕は漏らしていません!



今日は、ここまで。また、読んで下さいね!

皆さんにこれからもよいことがたくさんありますように!

ヽ(^o^;)ノ大丈夫。なんとか、なりますよ!

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