郵政民営化と構造改革(自民党への手紙)

                                     尼崎市  まるかつ



1.郵政民営化の意義



 小泉総理が郵政事業の民営化を公約して掲げてから、かなりの年月がたった。

構造改革の象徴として、民営化を推し進めるも、

いわゆる抵抗勢力の反抗もあり、幾度かの修正が為されている。

  新聞紙上では、

「骨抜きになった郵政民営化法案など、固執する理由が無い」、

「郵政民営化などよりもっと大事な懸案事項がたくさんある」、

と言った、郵政民営化法案に消極的な陣営からの意見が掲載されている。

これらの報道から見ても、当初、小泉総理が目指した民営化法案に比べて、

今ではかなり修正された内容の物に変わってきていることは間違いない。

いろいろな意見が盛り込まれたのである。

 したがって、先の国会の参議院で否決されてしまった郵政民営化法案は、

断固成立させるべきものであったと考える。

 なぜなら、お上が、

「断固、日本を再生させる」

という姿勢をはっきり国民に示すことが出来たはずだからである。

 旧国鉄も、旧電電公社も、

それぞれJRとして、NTTとして、

世界に恥じない一流企業として

(決して楽ではないにしても)頑張っている。

(今、世間で「楽なところ」なんてOOOぐらいか?!)

 旧郵政省にも優秀な人材がたくさん居る。

民営化されてへこたれるようなヤワな組織ではない。

「民業を圧迫する」というのはお門違いである。

正々堂々と民業(企業)どうしで競争すればよいのである。

サービス向上につながり、一般庶民は、万々歳である。



2.いわゆる官僚というものに対して。いわゆる政治というものに対して。



  お役所というところに対して、市井の人々が持つ印象の一つに、

 「プール金というものがあって、

  年度末になったら、

  予算消化のために組織を挙げて

  飲み食いに明け暮れるそうな」

というものが在る。

 そして、悲しいかな、

お役所の人々(それがお国のお役所であれ、尼崎市役所であれ)は、

これを怒りを持って否定することは無い・・・。

 つまり、半ば公然の事実なのである。

 そして、さらに、悲しいことは、

国民がそれに対して、本気で怒って来なかったことである。

いわゆる官僚というものに対しても、

いわゆる政治というものに対しても、

大声で注意することは無かった。

 かといって、

そのような実態を良しとする訳では、もちろん無い。



   構造改革が必要なのは、誰の目にも明らかだ。

   抜本的な解決をして欲しい。

   それが無理なら、一度には無理なら、

  少しずつでもよい方向へ改革して欲しい・・・・。



 みんなそう思っている。

 でも、結局、市井の人々は、投票所に行かない、という、

消極的な、無言の抵抗を示すしかなかった。



それしか出来なかった・・・。



3.政治的無関心?



 このような状況を一部の識者もどきは、

 「国民の政治的無関心を嘆く」

などとコメントする。

 これは、明確に間違っている。

 市井の人々は、政治に無関心ではない。

投票所に行かないのは、選びたい人がいなかったからである。

 「この人は、もしかしたら、

  私たちの思いを実現してくれるかもしれない」

という候補者がいたら、ちゃんと投票所に行くのである。

 一地方都市のお話で恐縮だが、

今年6月に私の住む尼崎市で市会議員選挙が実施された。

定数40人ほどのところに70人近く候補者が出たと記憶する。

その候補者の中に20代の若者3人がいた。

新聞でもあまり取り上げられず、

どちらかといえば、

泡沫候補者(ほうまつこうほしゃ。泡と消える・・・の意。)

扱いだったように思う。

ところが、3人とも見事当選している。

私も彼らの選挙運動に時々出くわした。

彼らのうち一人が、自転車に乗って、

「候補者本人」というのぼりを立てて、

鉢巻巻いて、一人で走り回っていたのを見たことがある。

あまり政策らしきものを聞いた覚えは無いが、

清新さは確かに感じられた。

「今までの議員さんとは違う何かをやってくれるのではないか」

という期待を有権者が抱いたとしても不思議ではない。



4.無党派層



 この20代の新人市会議員を当選させたのは、

メディアで「無党派層」と呼ばれている、市井の人々である。

 これらの「無党派層」を取り込むのは、

今まで民主党が上手だった。

落下傘候補者として、

若手の新人を自民党のベテラン現職にぶつけるのである。

(議会制民主主義の先輩であるイギリスが

 この落下傘候補者方式を多く採っている事はもっと知られていい)

若手落下傘候補者は苦戦するも、それなりの戦いを全国いたるところで

展開している。選挙区で負けても比例で復活当選する者もいれば、

現職にスキャンダルでもあれば、選挙区で勝つ者もいる。



民主党 若手(地盤・看板・鞄、すべて無し)落下傘候補者

          VS

自民党 ベテラン(地盤・看板・鞄、何でも有り)地方のボス



という図式は、わかりやすい。

 無党派層が増えた現在では、民主党に有利なものであった。

 つまり、市井の人々は、

今まで見たことも聞いたことも無い落下傘候補者でも、

 「この新しい人は、今までの議員さんと違って、

  何かやってくれるのではないか」

 という期待を持てるのである。

 旧来の自民党には不利な状況である。



5.自民党をぶっ壊す



 ところが、今回の小泉総理の

 「自民党をぶっ壊す」

は、市井の人々、

つまりいわゆる無党派層にとても強いインパクトを与えた。

 これは、つまり、

 「この新しい人は、今までの議員さんと違って、

  何かやってくれるのではないか」

という期待を持てるのである。

 さらに、今回の候補者の公募。

自民党が変わっていく気配を感じ取るのは、

私だけでは、無いだろう。

 理想は、小泉政権が今回の選挙で過半数を取り、構造改革を強力に

推し進めることである。日本はこれで再生できる。

 あるいは、民主党が、単独で、過半数を取り、

政権交代が実現し、年金改革を始め、

民主党お得意のマニュフェストを公約どおり実現させる。

これでも、日本は再生できる。

自民党は、一度、野に下って、

今一度足元を見つめる時間を作ればよい。

国家百年の大計と言う。

目先の大臣のイスなどに拘ってはいけない。

選挙に負けても、少なくとも、自民党の中にも、

「このままでは、いけない」

とちゃんと考えている人が居ることを

国民に示すことが出来た点は大きい。

国民の自民党離れに一定の歯止めをかけたことは間違いない。

 そして、選挙結果がどのようなものであれ、

もはや、いかなる政党も構造改革を無視することは、

出来ないのである。

                               以上

今日は、ここまで。また、読んで下さいね!

皆さんにこれからもよいことがたくさんありますように!

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