法律系資格の仕事2



 法律系の資格の仕事だけでなく、

一般の会社などで、

契約書の作成などに携わる仕事について。



 これは、私が大学卒業後、2〜3年して、

お世話になったゼミの教授を訪れた時に、

教授からお聞きしたお話です。



 大学の卒業生が、

ある会社に就職しました。

確か船舶を造る会社だったと思います。

超有名会社ではありません。



 外国の企業を相手の商談で、

日本語の文章を、

外国語に翻訳する仕事を任されました。

確か英語だったと思います。



 日本では、わりとよく目にする、

「最高の品質を保証します」

あるいは、

「最高水準の品質を誇ります」

と言う文章をそのまま、外国語に直したようです。



 ところが、実は、

その商品は、「最高の品質」あるいは「最高水準の品質」

ではありませんでした。

 もっと最新の技術なり原料なりが、存在していたようです。

 

 翻訳した文章が契約書その物だったかどうか分かりません。

 ともかく、相手方の外国企業が、

「これは最高の物ではない!」

とクレームをつけてきました。



 結局、その会社は、

その会社の信用を保つため、

「最高の品質」あるいは「最高水準の品質」のものを

提供しました。

大赤字だったそうです。



 その会社の社長さんが、

ゼミの教授のところに来て言うには、

「法律を勉強していると言うからには、

 こういう事態になる事を避けて欲しかった。」

(=日本語を直訳すると、トラブルになる可能性もある

  と、指摘できるような学生を育てて欲しい)



 さびしげに、

僕にその話しをしてくださった教授の顔を思い出します・・・。



 身近な例で言うと、

宅建の取引主任者を持っている人なら良く知っている話しですが、

契約の対象となる物件のトイレに

「ウォシュレットが付いている」

と言うからには、

それは、TOTO製の物でなければなりません。



INAX(シャワートイレ)や松下電工(ビューティ・トワレ等)

の物では、契約違反になります。



 どんな仕事でも、

気をつけるべきツボみたいなものはありますよね。



 それでは、今日は民法いってみましょう。

(興味の無い人、ゴメンナサイ)



相手方が

「絶対会わん、受け取らん、金払わん」等

言っている場合でも、

「受け取りなはれ、金払いなはれ」

と言わなアカンか?



 これは、それが、

弁済の提供の場面(民法493条)なのか、

履行遅滞による契約解除の場面(541条)なのか、

で異なります。



弁済の提供の場面         ↓ 履行遅滞による契約の解除の場面

(493条)           ↓ (541条)

                 ↓

債権者が契約の存在を否定するなど、↓ 一般的には、

弁済を受領しない意思が      ↓ 履行遅滞による解除(!!)

明確に認められるときは、     ↓ をなすためには、

債務者は言語上の提供をしなくても、↓ 債務者が債務を履行しない意思が

債務不履行の責を免れます。    ↓ 明確である場合にも、

(最大判昭32・6・5)     ↓ なお、催告は必要である。

                 ↓ (大判大11・11・25)

                 ↓  ただし、商事売買について

                 ↓  催告不要とした判例もあります。

                 ↓   (大判昭3・12・12)



これを覚えるのに、



 「債務者はもう言わんでいい、債権者は絶対言え!」



と覚えてます。



 皆さんの勉強に、ほんの少しでもヒントになれば幸いです。



今日は、ここまで。また、読んで下さいね!

皆さんにこれからもよいことがたくさんありますように!



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